子どもが散らかしても平気!在宅ママが続ける“片付けない”収納術

育児

小さな子どもと暮らす毎日は、かわいさと同じくらい“片付けとの戦い”がつきものです。片付けても片付けても数分後には散らかっている光景に、思わずため息が出ることもありますよね。特に在宅で仕事をしているママにとって、散らかった部屋は集中力を奪い、ストレスの元にもなります。

そこでこの記事では、2児の在宅ママである筆者が実践している、片付けを頑張らなくても部屋が自然と整う“片付けない収納術”をご紹介します。忙しくても続けられる仕組みづくりで、心と時間のゆとりを取り戻しましょう。

片付けが終わらない原因は“仕組み”にある

小さな子どもと暮らしていると、「片付けたそばから散らかる」という終わりのないループに陥ることは珍しくありません。リビングを整えても、気づけば床におもちゃが転がり、テーブルの上には工作の残骸やプリントが積み重なってしまう…。そんな光景に心当たりがある方は多いのではないでしょうか。

私自身、在宅ワークをこなしながら2人の子どもを育てていた時期がありました。仕事の締め切りが迫るなか、部屋が散らかり放題になっていると、「ちゃんと片付けているはずなのに、どうして毎日こんなにぐちゃぐちゃなの…?」と焦りと苛立ちが混ざった感情に支配されることもしばしば。まるで片付けの努力をすべて打ち消されているような無力感に襲われることもありました。

しかし、冷静に見つめ直してみると、散らかる原因は私のズボラさでも、子どもたちの性格の問題でもありませんでした。単純に、今ある収納の仕組みが、子どもたちの行動特性に合っていなかっただけだったのです。

例えば、こんな状態に心当たりはありませんか?

  • 片付けのハードルが高い(入れる場所が複雑)
  • おもちゃの置き場所が遠く、戻すための動線が悪い
  • ボックス内部が細かい分類になっていて、どこに戻せばいいか迷う

これらは一見「ちゃんと整理されている収納」に見えますが、実は大人ですら“戻すのが面倒”と感じる作りになっていることが少なくありません。ましてや、注意力・記憶力・判断力がまだ発達途中の幼い子どもには、一つひとつの作業が難易度の高いタスクとして積み重なってしまいます。

そこで私は思い切って発想を変えました。

「片付けること」を前提にした収納ではなく、最初から「片付けない前提」の収納をつくろう。

散らかるのを完全に防ぐことはできませんが、“散らかっても困らない”仕組みさえ整えてしまえば、日々のストレスは驚くほど軽くなります。実際にこの発想へ切り替えてから、私は片付けによるストレスをほとんど感じなくなりました。


“片付けない収納”とは?考え方とメリット

「片付けない収納」と聞くと、「それってただのズボラでは…?」と思われるかもしれません。しかし実際には、単なる放置とはまったく違います。

“片付けなくても見た目が保てる仕組み”を作ることこそが、片付けない収納の本質です。つまり、

  • 片付けの手間を最小限にする
  • 見た目の乱れを感じにくい構造にする
  • 子どもが自然に自分で片付けられるようにする

という、合理的でストレスを減らすための工夫が詰まった仕組みなのです。

では、そのポイントをさらに深く解説していきます。

① ザックリ戻すだけで整う

「積み木はここ」「ミニカーはこの小さいボックス」「パズルは棚の奥」など、細かく分類された収納は一見使い勝手がよさそうに見えます。しかし、実際は“元の場所に戻す労力”が多く、子どもにとっては難易度が高いタスクになります。

片付けない収納では、分類を思い切って減らし、「大」「小」「よく使う」などのザックリ分類に変えます。すると、細かい判断が不要になり、わずか数秒で片付けが終わるようになります。

② 子どもが「自分で」片付けられる

収納は、大人が片付けやすいように作られがちですが、実際に散らかすのは子ども。だからこそ、子ども目線でアクセスしやすい高さ・重さ・動作にすることが大切です。

子どもが自分で戻す習慣がつくと、大人の負担は大幅に減るだけでなく、子どもの自立心や達成感にもつながります。「自分で片付けられた!」という成功体験が、次の行動にも好影響を与えてくれます。

③ 大人が片付けを背負いすぎなくなる

従来の片付けは、どうしても大人が最終的な責任を負いがちです。しかし片付けない収納に変えることで、“大人が頑張らなくても乱れにくい部屋”が実現します。

特に大きかったのは、散らかっている状態を「悪」と感じなくなったことです。

以前は夕方にリビングがぐちゃぐちゃだと、それだけで一日の疲れがどっと押し寄せました。しかし、今では「散らかってOK。最後にザッと戻せばいい」と思えるため、心理的なギスギスがほとんどなくなりました。


2児ママ宅のリアルな収納例(リビング・子ども部屋)

ここからは、実際に私が家庭で行っている“片付けない収納”を、より詳しくご紹介します。リビングや子ども部屋は、家族全員が頻繁に使う場所だからこそ、ちょっとした工夫で散らかり具合が劇的に変わります。


① リビングは“広いカテゴリー”で分ける

リビングは、子どもが一番長く過ごすスペースであり、おもちゃ・絵本・工作グッズなどが自然と集まってくる場所です。そのため、細かい分類をしてしまうと「戻すのが面倒」と感じる原因になります。

以前の私は、次のように種類別に分けていました。

  • 積み木
  • ぬいぐるみ
  • ブロック
  • ミニカー
  • パズル

一見整っているように見えるこの方法ですが、実は“戻すタイミングで迷う・面倒になる”片付けづまりを引き起こしてしまっていました。

そこで私は、思い切って分類を 「大きいおもちゃ」「小さいおもちゃ」「よく使うおもちゃ」 の3つだけに変更。カテゴリーを広げたことで、子どもの行動が見違えるように変わりました。

さらに、ボックスは フタなし・深め・丈夫 の3拍子がそろったものを採用しました。フタ付きの収納は見た目はすっきりしますが、子どもにとっては「開ける」「閉める」という工程が増えるため、ただでさえ低い片付けモチベーションに追い打ちをかけてしまいます。

フタなしにしたことで、ボックスに“ポイッと入れるだけ”で片付けが完了。結果的に、子どもが自分から戻すようになり、私の片付け仕事は半分以上減りました。

また、広い分類にしたことで、夕方に床いっぱいに広がっていたおもちゃも、2〜3分あれば部屋がスッキリ。子ども自身も「片付け=短時間で終わる」とイメージしやすくなりました。


② 子ども部屋は“共有スペース”を意識して配置

兄弟がいる家庭では、どのおもちゃが誰のものか曖昧になりやすく、「これは僕の!」「それは使わないで!」とケンカに発展してしまうことも。そんなストレスを減らすために取り入れたのが、共有スペースと個人スペースを明確に分ける収納です。

我が家の場合は次のように配置しています。

  • 共有おもちゃ → 子どもがすぐ手に取れる低い位置に、大きめボックスでザックリ収納
  • 個人のもの → 高めの棚に、名前入りボックスでそれぞれが管理

この配置にしてから、明らかにトラブルが減りました。特に効果があったのは次の2点です。

①「共有=誰でも使ってOK」が自然と理解できる
低い位置にまとめてあることで、兄弟が対等にアクセスできるため、所有権をめぐる言い争いが起こりにくくなりました。

② 個人スペースがあると“自分で管理する力”が育つ
高い位置にある個人ボックスは、大人の補助が必要ですが、そのぶん大切な物・思い出の品・細かなおもちゃなどを丁寧に扱う意識が芽生えます。

また、共有スペースを広めにとると、散らかったとしてもリビングほど気になりません。子ども部屋は「多少散らかっていてもOK」と割り切ることで、親の心の余裕もグッと増えます。


子どもが片付けやすい仕組みを作るコツ

次に、子どもが“自分で”片付けられるようになるために、特に効果が高かったポイントを解説します。これはどんな家庭でもすぐに取り入れられる工夫ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。

① ボックスは“フタなし”が最強

片付けにおいてフタの存在は意外と大きな障壁です。大人からすると「フタを開けて閉めるだけ」ですが、子どもにとっては ①開ける → ②しまう → ③閉める の3ステップ。これがあるだけで「片付けたくない…」という気持ちになってしまいます。

フタをなくせば、子どもは“ただ入れるだけ”で片付け完了。たったこれだけで、我が家では片付け率が目に見えて改善しました。夕方の片付けタイムには、上の子が下の子に「ここに入れるんだよ」と教えてくれる姿も増え、兄弟関係にも良い影響が出ています。

② ラベルは「文字」より「絵」のほうが効果的

特に幼児期の子どもは、文字よりも視覚的な情報のほうが理解しやすい傾向があります。そのため、ラベリングには イラストや写真 を使うのがおすすめです。

例:

  • 車のおもちゃ → ミニカーの写真
  • ブロック → 実際のブロックのイラスト
  • ぬいぐるみ → ぬいぐるみの絵

視覚的に理解しやすいラベルは、子どもにとって“片付けのヒント”になります。どのボックスに入れればいいか一瞬でわかるので、片付けのスピードもアップ。意外にも、ラベルを貼るだけで「ここに入れたい!」という気持ちが芽生えることも多いです。

③ 子どもが“触れる高さ”に収納を置く

収納づくりで最も重要と言っても過言ではないのが、「触れる高さ」 です。背の届かない棚に置いてしまうと、必ず「ママ取って〜」「パパ届かない〜」の連発になります。その結果、子どもが自分で片付けられない仕組みができあがってしまいます。

よく使うものだけでも、子どもの胸〜目線の高さに揃えるだけで、劇的に片付けやすくなります。特にリビングや子ども部屋では、子どもの導線に合わせるだけで「自分で戻せた!」という成功体験が増え、片付けの習慣にもつながります。


まとめ|完璧を目指さない収納でストレスが激減

子どもが小さい時期は、とにかく散らかるのが当たり前です。どれだけ片付けても、どれだけ工夫をしても、生活している限り物は動きますし、床には何かしらが落ちています。でも、それは決してあなたの努力不足ではありません。

大切なのは、散らかる前提で仕組みを作ることです。

  • ザックリ分ける
  • フタなし収納にする
  • 子どもの高さに合わせる
  • ラベルは絵でつける
  • カテゴリは広めに設定する

これらを組み合わせるだけで、片付けに必要なエネルギーは大幅に減らすことができます。「片付けない収納」は、言い換えれば “ママが笑っていられる状態を保つ仕組み”

完璧を目指すのではなく、続けられる仕組みを整えることが何より大切です。今日できることから少しずつ試しながら、ぜひあなたのご家庭に合った“片付けない収納”を楽しんでみてくださいね。

あなたの毎日が、今よりもっとラクで心地よくなりますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました