朝の登園準備、習い事の前、実家に行く前…。子どもの支度のたびにバタバタして、「なんでこんなに進まないの?」とぐったりしてしまうことはありませんか。
私も2人の子どもを育てながら在宅で仕事をしているのですが、一日の中でいちばん消耗するのがこの“支度タイム”。
この記事では、そんな毎日を少しラクにするために、私が試して効果を感じた「声かけの順番」の工夫を、具体例たっぷりでご紹介します。
支度の時間がいちばん疲れる問題
子どもの支度って、どうしてあんなにスムーズにいかないんでしょうね。こちらが「そろそろ着替えてね〜」と声をかけても、まるで聞こえていないかのようにおもちゃへ一直線。靴を履いてほしいのに、突然ぬいぐるみの並べ替えに夢中になって動かない…そんな光景、毎日のように繰り返されます。
私自身、2児を育てながら在宅で仕事をしているのですが、正直なところ 一日の中でいちばん疲れるのは“支度の時間” と言っても過言ではありません。特に朝は時間に追われるため、こちらも余裕がなくなり、つい強めの口調になってしまう。すると子どもは余計に動かず、こちらはイライラし、最後に自己嫌悪…という負のループに入ってしまうんですよね。
そんな日々の中でふと気づいたのが、「声かけそのものより、“順番”が大事」ということでした。言葉選びに工夫をするよりも、伝える順番を少し変えるだけで、驚くほど子どもの動きに変化が生まれたんです。
「なんでこんなに違うの!?」と自分でも驚くほど、支度の流れがスムーズになったので、今回はその“順番テク”をわかりやすく解説していきます。同じように支度時間に疲れ切っているママ・パパの参考になれば嬉しいです。
なぜ子どもの支度はスムーズにいかないのか?
まず大前提として知っておきたいのは、子どもは「切り替え」がとても苦手だということです。大人は頭の中で「今これをして、次はこれをして…」と自然に段取りを組めますが、子どもは “今やっていることを続けたい” という本能が強く働きます。
そのため、次のような場面では気持ちの切り替えがうまくできず、動き出しに時間がかかってしまいます。
- 遊び → 支度
- テレビ → 歯磨き
- 絵本 → 出発準備
大人から見ると「なんで今動いてくれないの!?」と思ってしまうのですが、子どもにとっては“目の前の楽しいことを中断する”のは、実はとても高度なスキルなんですね。
さらに支度がスムーズにいかないもうひとつの理由は、「やるべきことが曖昧になりやすい」という点です。
例えば、大人から「早く支度して!」と言われても、子どもからするとこんな状態です。
- そもそも“支度”って何をすればいいの?
- どの順番でやれば正解?
- どれくらいの時間で終わらせるべき?
こうしたことが曖昧なままなんですよね。情報が整理されていない状態で動けと言われても、大人だって困ってしまいます。
だからこそ大切なのが、声かけの“順番”を整えること。やるべきことを整理して伝え、子どもが「何をすればいいか」を理解できる状態にしてあげると、驚くほど動きやすくなるのです。
2児ママが試して効果があった“声かけの順番”の基本ルール
ここからは、私自身が日々の育児の中で試行錯誤しながら見つけた、支度が驚くほどスムーズになる「声かけの順番テク」を詳しく紹介します。
大事なのは、難しい特別な方法ではなく、どの順番で伝えるかを“3ステップ”に整理すること。たったこれだけで、子どもの理解度も行動のしやすさも大きく変わります。
この3ステップは、どんな家庭でも今日からすぐに使えるシンプルな方法なので、ぜひ気軽に試してみてください。
先に“見通し”を伝える
大人でも、急に「今すぐ動いて!」と言われたら戸惑ってしまいますよね。子どもも同じで、事前に“これから何が起こるのか”がわかっているだけで安心して動けるようになります。
見通しを伝えるときのポイントは、できるだけ具体的に・短く分かりやすくすること。
例えば、こんな声かけです。
- 「あと5分で出かけるよ」
- 「着替えたら公園行けるよ」
- 「このパズルが終わったら支度しよう」
これは、子どもの頭の中に“次にするべきことの道筋”をつくる作業でもあります。いきなり行動を求めるのではなく、「そろそろ切り替えのタイミングだよ」という予告を出してあげるだけで、次への移行がスムーズに。
慣れてきたら、タイマーを使って「ピピッとなったら着替えるよ」など、視覚・聴覚の刺激を合わせるとさらに分かりやすくなります。
“やることを1つだけ”伝える
見通しを伝えたあとは、やるべき行動を“ひとつだけ”シンプルに伝える段階です。
つい大人は「着替えて、歯磨きして、荷物も持ってきて!」とまとめて言ってしまいがちですが、子どもにとっては情報量が多すぎて混乱してしまいます。
NG例:
「着替えて、歯磨きして、荷物持ってきて!」
→ 大人は楽でも、子どもはどれから手をつけていいかわからず固まってしまう。
OK例:
- 「まずはパンツだけ履こう」
- 「靴下だけ持ってきてくれる?」
- 「最初は上の服だけ着よう」
このように、“最初の一手”だけを伝えることがポイント。 子どもは一度動き始めるとそのまま次の行動につながりやすいので、小さく動ける一歩を作ってあげるイメージです。
また、1つできたらすぐに次の1つを渡す…という流れにすると、迷わず最後まで進みやすくなります。
できたらすぐに小さく反応する
子どもが動いてくれた瞬間は、0.5秒以内に反応するつもりでリアクションするのが効果的。
大げさに褒める必要はありません。むしろ、自然で淡々としたリアクションのほうが子どもは受け取りやすいこともあります。
例えば、こんな一言で十分です。
- 「お、動けたね!」
- 「今の早かったね〜!」
- 「助かるよ、ありがとう」
ここで大事なのは、行動したことを“その場で気づいてもらえた”という実感です。
子どもは「見てもらえた」「認めてもらえた」と感じると、それが次の行動への原動力になります。いわば“自己効力感(できた!という感覚)”が積み重なっていくイメージですね。
反応はほんの一言でも十分ですが、それを積み重ねることで、支度の時間全体がポジティブな空気に変わっていきます。
年齢別に使いやすい声かけフレーズ例
ここからは、実際に我が家でも日常的に使っている“年齢別で効果が出やすい声かけフレーズ”を、発達段階に合わせてまとめていきます。同じ「支度してほしい」という場面でも、年齢によって有効なアプローチはガラッと変わります。
声かけはテクニックというより、子どもの理解力・興味・自立度に合わせて調整していく“コミュニケーションの工夫”です。ぜひお子さんの性格に合わせて使いやすいものを取り入れてみてください。
未就学児に向けた声かけ
未就学児は、まだ言語理解や段取りを自分で整理する力が発達途中のため、「短く・わかりやすく・遊びの延長で」が基本スタイルになります。日常の支度も、少し遊びのエッセンスを加えるだけで、驚くほど動きやすくなることが多いです。
例えば、こんな声かけが使いやすいです。
- 「どっちの靴下にする?」(選択肢方式)
→ 子どもは「選べる」と動きやすくなります。選択肢は2つが鉄則。 - 「まずパンツさん履こうか〜」などの擬人化
→ 洋服に人格を持たせると、小さな子は自然と興味を向けてくれます。 - 「ママと競争しよっか!」(着替え競争)
→ 遊び要素を入れると、切り替えのハードルが一気に下がります。 - 「赤い線(テープ)まで歩いたら支度しよう」
→ 見える目標(視覚的な区切り)を作ると、行動しやすくなります。
未就学児には、「楽しい」や「面白そう」が行動のスイッチになりやすいという特徴があります。上手に環境づくりをしてあげることで、支度が“やらされること”から“やりたくなること”に変わっていきます。
小学生向けの声かけ
小学生になると、幼児期に比べてかなり“段取り力”が育ってきます。そのため、単に指示を出すよりも、「自分で考えて選ぶ余地を渡す」ほうが圧倒的に動きがよくなります。
例えば、こんな声かけです。
- 「今日の支度、どれからやる?」
→ 選択権を渡すと、主体性が生まれやすくなります。 - 「自分のペースでいいけど、8時になったら出発ね」
→ 時間の“枠”だけ設定すれば、あとは本人が調整できます。 - 「終わったら、カードを裏返してね(チェックリスト方式)」
→ 視覚的にタスクが減っていくと達成感が得やすく、やる気が続きます。
小学生に効果的なのは、「管理されている」ではなく「任されている」と感じさせる声かけです。自分で選んだ順番のほうが、子どもは圧倒的に行動が早くなるんですよね。
また、チェックリストやタスクカードを使うと、親が口出しする回数が減るので、家庭の空気がとても穏やかになります。
声かけの順番を整えるだけで変わった“我が家の支度時間”
ここからは、私自身の体験を踏まえて、声かけの順番を変えただけでどれほど支度の雰囲気が改善されたのかを具体的にお話しします。
以前の我が家は、まさに“朝バタバタ家庭”のお手本のようでした。
- 「早くして!」を連発
- 子どもは聞いているようで聞いていない
- こちらはイライラが積もる
- 気づけば出発時間ギリギリで、全員が疲れ果てる
こんな毎日で、「育児ってこんなに大変だっけ?」と落ち込むこともありました。
しかし、声かけの順番を ①見通し → ②やること1つ → ③できたら即反応 に変えたことで、流れが一気に変わったのです。
- 見通しがあるから → 子どもが安心して動ける
- やることが1つに絞られるから → 迷わず動ける
- できた瞬間に気づいてもらえるから → 自信がつき、次も動ける
この“よい循環”が回り始めると、支度の時間そのものが驚くほど穏やかに。朝から大声を出すことも激減し、子どもが自分で動き始める瞬間も増えました。
特に大きな変化を生んだのは、「できた瞬間を逃さずに気づく」という小さな習慣でした。大人からすると小さな行動でも、子どもにとっては“ちゃんと見てもらえている”という大きな安心感につながるんですよね。
この積み重ねが、長期的には「やればできる」という自信へと育ち、自主的に動ける子に近づいていくのだと思います。
まとめ|スムーズな支度は“言い方より順番”で決まる
支度の声かけというと、つい「どんな言葉を使えばいいか?」に意識が向きがちですが、実は “どの順番で伝えるか”のほうが圧倒的に効果がある と感じています。
今日からすぐに使える、覚えておきたいポイントは次の3つです。
- 先に見通しを伝える
- やることは1つずつ
- 動けたらすぐ反応する
たったこれだけですが、支度の流れが驚くほど整い、親のイライラも激減します。
もちろん、毎日完璧にできなくて大丈夫です。私も今でもうまくいかない日があります。でも、“順番を整える”たったひとつの意識だけで、ママも子どもも驚くほど気持ちがラクになるはずです。
ぜひ明日の朝から、ひとつだけでも試してみてくださいね。


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