毎日欠かさず使うお風呂は、本来リラックスできる場所のはずなのに、いざ掃除となると急に腰が重くなる…という経験は、多くの家庭で“あるある”なのではないでしょうか。特に子育てや仕事で日々バタバタしていると、お風呂掃除はつい後回しになりやすく、気づけば汚れが目立ってきてしまうことも少なくありません。
私自身、2児を育てながら在宅で仕事をしているため、時間のやりくりにはいつも悩まされていました。そんな中でやりがちだったのが、次のような“負のループ”です。
- 週末にまとめて掃除するつもりが疲れてできない
- カビが出てから慌てて対処し、余計に体力を使う
- こすり洗いに気合いが必要で、始めるまでに時間がかかる
- 子どもが入りたがらない日ほど汚れが目についてストレスになる
こうした状況が重なると、掃除そのものより「やらなきゃいけない」という気持ちの負担のほうが大きくなり、ますますお風呂掃除がしんどく感じられるようになります。
しかし、ある日ふと気づいたのです。
「お風呂掃除って、完璧を求めるからしんどいんだ」
つまり、ピカピカにしようと気合いを入れるほどハードルが上がり、手をつけづらくなる。そして後回しにした結果、さらに汚れが落ちにくくなる…という悪循環に陥っていたのです。
そこで私が方向転換したのが、「汚れを育てない仕組み」をつくること。こすったり磨いたりする前に、“汚れない状態をキープする工夫”に力を注ぐようにしてみたところ、驚くほど楽に続けられるようになりました。
この記事では、そのゆるく続けられるお風呂ケア習慣を、具体的な方法とともに紹介していきます。
お風呂掃除がつらいのは“毎回完璧にやろうとするから”
お風呂掃除を面倒だと感じてしまう一番の理由は、実は掃除そのものではなく心理的なハードルにあります。特に家事は「どうせやるならきれいにしたい」という気持ちが強くなりがちで、それが“完璧主義の罠”を招いてしまいます。
具体的には、次のような思いが積み重なっていきます。
- 「今日もゴシゴシしっかり掃除しなきゃ」と構えてしまう
- 汚れを見つけると、つい全部まとめてキレイにしたくなる
- 中途半端に掃除したくなくて、まとまった時間がないと取りかかれない
- 汚れを見るたびに「やらなきゃ…」と気持ちが沈む
こうしたプレッシャーは、実際の作業量よりもストレスとしての負担が大きく、結果的に掃除のハードルを上げてしまいます。
しかし、家庭のお風呂掃除はプロのクリーニングとは違い、毎回完璧に仕上げる必要はありません。むしろ気合いを入れて一気にやろうとするほど疲れてしまい、長続きしにくくなってしまいます。
そこで大切になるのが、汚れをためない小さな工夫を習慣化すること。ほんの少しの“軽いケア”を日常に取り入れるだけで、お風呂は驚くほどきれいな状態をキープでき、後から大がかりな掃除をしなくても済むようになります。
この視点に切り替えるだけで、お風呂掃除への心理的ハードルがぐっと下がり、家事の負担が軽く感じられるようになるのです。
2児在宅ママが実践する“放置でOK”のお風呂ケア習慣
ここからは、私が実際に取り入れて効果を感じている“ゆるケア習慣”について詳しく紹介していきます。どれも特別な道具や技術は必要なく、忙しい日々の中でもスッと取り入れられるものばかりです。
お風呂掃除というと「しっかり時間を確保して、気合いを入れて取り組むもの」というイメージが強いかもしれません。しかし、日常の中に軽いケアを小分けで取り入れていくだけで、実は大掃除レベルの汚れを防ぐことができます。
特に子育て中は、毎日が予想外の連続。掃除にまとまった時間を取れないことも多いからこそ、“できる日に、できる分だけ”のケアが現実的で続けやすいのです。
ここで紹介する方法は、どれも今日からすぐに始められるものばかり。完璧を目指さず、ちょっとゆるいくらいがちょうどいい、そんな気楽な習慣です。
入浴後1分でできる“水切りの習慣”
お風呂場のカビや水アカの一番の原因は、実は“水分が残っていること”。湿気や水滴がそのまま残ると、カビ菌が育ちやすい環境が整ってしまいます。
そこで我が家で取り入れたのが、入浴後に1分だけ水を切る習慣です。
といっても、難しいことは一つもありません。スクイージーで壁をサッとひとなでし、床に溜まっている水を軽く切り、最後に鏡の水滴を払うだけ。たったこれだけの作業なのに、カビの発生が格段に減り、“後から大掃除しなくてはいけない状況”を確実に防いでくれます。
さらに嬉しいポイントは、毎日じゃなくてもOKなところ。忙しい日は「今日はムリ〜」とスルーしても問題なし。できるときだけやる、くらいのゆるさだからこそ続けられます。
スクイージーは100均でも気軽に手に入るので、家族の人数分置いておいても便利。子どもが楽しんでお手伝いしてくれることもあり、ちょっとした家事シェアにもつながります。
週1だけ“泡スプレーで放置”する
次に紹介するのは、週に一度の「こすらないスプレー掃除」です。これは私がゆるケア習慣の中でも特に効果を実感している方法で、ほとんど手を動かさずにお風呂全体がすっきりする優秀なケアです。
使うのは、市販の“こすらないタイプの泡スプレー洗剤”。浴室全体にシュッと広めに吹きかけ、10分ほど放置し、最後にシャワーで流すだけ。これだけで、皮脂汚れや石けんカスが驚くほどスルッと落ちてくれます。
流れとしてはとてもシンプルです。
- 入浴後に気になる部分へスプレーする
- そのまま浴室を出て、子どもの寝かしつけなど夜のルーティーンへ
- 落ち着いたタイミングでシャワーで流すだけ
この“放置している間に勝手に綺麗になる”という仕組みのおかげで、掃除に割くエネルギーが圧倒的に減りました。とくに子育て中のママにとって、この“ながら掃除”は心からおすすめしたい時短テクです。
また、洗剤の香りで子どもが嫌がらないよう、低刺激タイプや微香タイプを選ぶのもポイント。家族全員が快適に使えるアイテムを選ぶと、習慣としてさらに定着しやすくなります。
カビを防ぐ“湿気をためない仕組み”づくり
最後に紹介するのは、お風呂の大敵“湿気”をためないための工夫です。カビは湿気と水分が大好物。いくら掃除をしても湿度が高い状態が続けば、あっという間に黒カビが育ってしまいます。
そこで我が家では、次の3つの習慣を徹底しました。
- 入浴後はドアを少し開けておく:完全に開けるのではなく、数センチだけ開けて空気が循環するようにするのがポイント。
- 浴室乾燥または換気扇を30分まわす:自動オフ機能があると便利。湿気を残さないためには“とにかく空気を動かす”のが効果的です。
- シャンプーボトルは吊るす収納にする:ボトル底が濡れたまま放置されると、ぬめりやカビの温床に。浮かせる収納に変えただけで掃除頻度が激減しました。
とくに“吊るす収納”は効果が絶大。棚に置くとどうしても底に水分が溜まってしまいますが、吊るすだけで自然乾燥しやすくなり、ぬめりがほぼゼロに。見た目もスッキリして、お風呂の清潔感が一気にアップします。
小さな工夫を積み重ねるだけで、お風呂の湿気問題は大幅に改善できます。結果として、掃除そのものにかける時間も大きく減り、精神的な負担も驚くほど軽くなるのです。
便利アイテムでさらにラクになる!ゆるお風呂掃除の味方
お風呂掃除は、実は“道具選び”によって負担が大きく左右されます。家事は、使うアイテムが自分の生活スタイルに合っているかどうかで、かかる手間も継続性も大きく変わるもの。特にお風呂掃除は湿気・水分・カビなど、対策すべき要素が多いため、効果的なアイテムを選ぶことで手間が驚くほど軽くなります。
ここでは、私が実際に使って「これは相棒!」と感じている便利アイテムを、使い方のポイントと合わせて紹介します。どれも導入するだけで、掃除のストレスが確実に減るものばかりです。
スクイージー(100均でもOK)
水切り習慣の必需品ともいえるスクイージー。シンプルな形状ながら、水滴除去の効率は抜群です。お風呂上がりに壁や床をサッとひと撫でするだけで、カビの原因となる水分を大幅に減らせます。
ポイントは、手に取りやすい場所に吊るしておくこと。使うたびに「どこだっけ?」と探してしまうと、それだけで面倒に感じてしまうため、すぐ手が届く場所に定位置を作っておくと習慣化がとてもスムーズです。
100均で購入できる軽量タイプでも十分に活躍します。むしろ軽いほうが扱いやすく、子どもでも楽しんでお手伝いしてくれることがあります。
こすらない系洗剤(泡スプレー)
週1の放置ケアに欠かせないのが泡スプレータイプの洗剤。広範囲にムラなく噴射でき、汚れに密着して浮かせてくれるため、こすらずにお風呂全体をリセットできます。
特におすすめなのは、浴槽・床・壁など、複数の素材に対応しているタイプを選ぶこと。1本で家中の掃除ができると、道具の管理も楽になり、掃除への心理的ハードルが格段に下がります。
また、香りや刺激の強さも選ぶうえで重要なポイント。小さな子どもがいる家庭では、低刺激タイプを選ぶと安心です。
浮かせる収納グッズ
「物を床に置かない」だけで、お風呂の汚れ方は劇的に変わります。シャンプーボトル・スポンジ・おもちゃ・洗面器など、濡れたまま床や棚に置いてしまうと、そこに水分が滞留し、ぬめりやカビの原因に。
そこで役立つのが浮かせる収納グッズ。マグネット式・吸盤式・フック式など選択肢はさまざまですが、今どきは強力マグネットタイプがとても人気です。
浮かせておくだけで自然乾燥が進み、掃除の頻度がぐんと減ります。見た目もスッキリ整うので、家族全員が「気持ちいい!」と感じる空間づくりに貢献してくれます。
換気扇タイマー or スマートプラグ
湿気対策をラクにするためにおすすめなのが、自動化ツール。換気扇は“回しっぱなしが面倒”という理由で止めてしまいがちですが、実は湿気管理の要です。
そこで換気扇タイマーやスマートプラグを活用すると、換気の自動化が実現し、湿気をため込まない環境が常にキープできます。
特にスマートプラグは時間設定だけでなく、アプリからの遠隔操作や習慣化通知なども設定できるため、忙しい家庭ほど相性が良いアイテムです。
これらの便利グッズはすべて、“掃除を頑張らなくても済むための道具たち”。一度揃えてしまえば、毎日の家事が驚くほど軽やかになります。
放置ケアを取り入れて感じた“効果と気持ちの変化”
ゆるケア習慣を取り入れてしばらく経つと、目に見える変化だけでなく、気持ちの余裕にも大きな違いが生まれました。以前の私は、お風呂掃除が「負担」「やらなきゃいけないもの」と感じられ、家事の中でも特に苦手意識が強い分野でした。
しかし、ゆるケアを少しずつ取り入れたことで、お風呂が汚れにくい状態をキープできるようになり、大がかりな掃除が必要な場面が激減。以下のような変化をはっきりと感じるようになりました。
改善前は…
- カビが出るたびに気が重く、掃除が後回しに
- 週末になると「掃除しなきゃ…」のプレッシャーで疲れる
- 子どもが寝た後に掃除をするのがしんどい
- 汚れが溜まっているときほど、掃除する気力が湧かない
こうした“掃除を始める前のストレス”が常にのしかかっていました。
ゆるケア習慣を取り入れた今は…
- 黒カビがほとんど出なくなり、見た目の清潔感がキープされる
- ゴシゴシこすらなくてもよくなり、掃除の体力消費が激減
- 「掃除しなきゃ…」のストレス自体がなくなる
- 入浴後の軽い水切りが習慣になり、掃除が日常に溶け込む
特に大きな変化は、“掃除を後回しにしても罪悪感を感じなくなった”ことです。
以前は「今日は疲れてるけど、掃除しないと汚れるし…」とモヤモヤする時間が長かったのですが、今では「少しなら放置しても大丈夫」と思える余裕が生まれました。なぜなら、ゆるケアのおかげで汚れが大きく育つ前に抑えられているからです。
この気持ちの変化は、日々の家事ストレスを軽減し、精神的なゆとりを取り戻す大きなきっかけになりました。
まとめ|“続けられる掃除”がいちばん家をきれいにする
お風呂掃除というと、どうしても「しっかりやらなきゃ」「時間を作ってちゃんと掃除しよう」と気合いが必要な家事だと思われがちです。しかし実際には、がんばるよりも“無理なく続けられる習慣”のほうが、長期的に見て家をきれいに保つ力があります。
今回紹介したゆるケア習慣は、そのどれもが“完璧を求めずに続けられる工夫”を前提としています。ポイントは、日常の負担を増やさずに、汚れが育たない環境をつくること。これだけで、お風呂掃除は驚くほど軽く、そしてシンプルになります。
今日からすぐに始められる具体的な取り入れ方としては、次のようなものがあります。
- 入浴後に1分だけ水切りする:完璧じゃなくてOK。壁や鏡をサッとひとなでするだけでカビ予防に大きく貢献します。
- 週1回だけ放置スプレーを使う:こすらないケアは時短効果が抜群。家事の合間に“ながら”でできるのも魅力です。
- 湿気をためない仕組みをつくる:換気扇・浴室乾燥・ドアの隙間開けなど、簡単な工夫でカビの原因を根本から予防。
- 浮かせる収納でぬめり対策:シャンプーボトルやスポンジを吊るすだけで、お風呂全体の衛生状態が劇的に向上します。
これらの習慣のうち、まずはひとつだけ始めれば十分。行動ハードルが下がり、気力に左右されにくくなることで、自然と“キレイが続く仕組み”ができあがります。
そして何より大事なのは、掃除ができなかった日があってもOKだと自分に許可を出すこと。無理に頑張らず、ゆるく続けることこそが、家をいつも気持ちよく保つ一番の近道です。
お風呂掃除が負担に感じていた方こそ、今日からぜひゆるケア習慣を取り入れてみてください。生活がぐっと軽くなり、「お風呂掃除ってこんなに楽だったんだ」と感じられるはずです。


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