毎日の料理って、思っている以上に体力を使いますよね。
私も2児を育てながら在宅で働いていますが、夕方のキッチンに立つ時間が一日の中でいちばんしんどい瞬間でした。
- 調味料を探すのに手間取る
- 必要な道具がすぐ出てこない
- 子どもの「お腹すいた〜!」に焦る
- 何度もしゃがんだり立ったりして疲れる
「もっと段取りよく動かないといけないのかな…?」
と自分を責めていましたが、ある日ふと気づきました。
段取りではなく“置き場所”が原因だったということに。
置き場所を変えるだけで料理のしんどさがガラッと変わったんです。
この記事では、私が実際に取り組んだ“置き場所改革”を紹介します。
料理に時間がかかる理由は“段取り”ではなく“配置”だった
料理が思った以上に長引いてしまうと、「もっと段取りよく動けばいいのに…」と自分を責めてしまいがちですよね。しかし実際には、段取りではなく“配置”そのものが原因であることがとても多いのです。
キッチンは家の中でも特にモノが集中するエリアで、限られたスペースに
- 調理道具
- 調味料
- 食材
- 食器
- 電化製品
など、用途の異なるアイテムがひしめき合っています。
このため、ほんの少し置き場所がズレているだけで、
- 必要以上の移動が発生する
- 探し物が増える
- 手が止まる時間が長くなる
- 余計な動作が積み重なる
といった“見えないロス”がどんどん蓄積していきます。
私自身、置き場所を見直す前は、料理の最中に気づけばキッチン内を何度も行ったり来たりしていました。そこで実際に数えてみたところ、1回の調理でなんと20回以上も移動していたのです。これは、料理そのものよりも“動作”にエネルギーを使っていたということ。
しかし、配置を整えてからは移動回数が10回以下に減少。たったそれだけの違いなのに、体力の消耗度はまったく別物でした。
つまり、料理のスピードは段取りの良し悪しではなく、そもそも“動きやすい配置かどうか”で大きく左右されます。段取りを改善するよりも、まずはキッチンの配置を見直すことが、時短の一番の近道なのです。
2児ママの時短を叶えた“置き場所改革”の基本ステップ
置き場所改革と聞くと、「全部の収納を見直さなきゃいけないの?」と身構えてしまう人もいるかもしれません。しかし実際は、そんな大がかりなことをする必要はありません。まず取り組むべきは、よく使うものを“よく動く場所”に集めること。
これは、どんなキッチンでも共通して効果が出る“土台づくり”の部分で、ここが整うだけでキッチンのストレスは驚くほど軽減します。
私自身も、育児と在宅仕事の合間に料理をする生活の中で、時間の余裕がないからこそ「ムダな動きを減らしたい!」という思いが強く、置き場所改革を始めました。すると、無意識に発生していた無駄な動作がどれだけ多かったかに気づいたのです。
以下では、私が実際に取り組んだ3つのステップを紹介します。どれも今日からすぐ実践できる、小さな見直しで大きな効果が出る方法ばかりです。
よく使うものは“最短距離”に集める
料理の最中に手に取るものは、実は毎日ほぼ同じ。たとえば、
- フライパン
- 菜箸
- 包丁
- 油、塩、砂糖、醤油など基本調味料
- まな板
- キッチンバサミ
など、調理の核となるアイテムです。
これらをコンロ・調理台・シンクの三角ゾーンに集めるだけで、動線が劇的に短くなります。
私の場合、コンロ下の引き出しに“毎日必ず使うものだけ”をまとめ、調味料類はコンロ横へ移動。たったこれだけで、必要なものが自然と手に取れる位置に揃い、料理中の“探す時間”が大幅に減りました。
一見小さな変化に見えますが、毎日の積み重ねを考えるとその差は膨大。動線調整は、まさに“時間を生み出す仕組み”なのです。
出し入れしやすい高さに揃える
キッチン作業で地味に体力を奪うのが、「しゃがむ」「背伸びする」といった上下動です。特に子育て中は抱っこや中断も多く、この動きが負担になりがち。
そこで私は、使用頻度に合わせて収納の高さを次のように入れ替えました:
- 毎日使うもの → 腰〜胸の高さ(ワンアクションで取れる位置)
- 週1程度の使用 → 下段へまとめる
- たまに使うもの → 上段へ移動
この配置にするだけで、料理中の動きが驚くほどスムーズになり、体力の消耗も減少。「あ、これ取るためにまたしゃがむのか…」という地味なストレスが消えました。
特に離乳食期のママにとって、上下移動が少なくなるのは大きな時短&体力温存になります。「どの高さに置くか」は、思っている以上に暮らしの快適さを左右するポイントなのです。
“戻すのが簡単”な収納に変える
キッチン整理でよくある失敗が、「使うときは便利だけど、戻すときは面倒」という配置になってしまうこと。その状態だと、どんなに整えてもすぐに散らかってしまいます。
そこで重要なのが、“出すより戻す”を優先した収納に切り替えること。
私が実際に取り入れた工夫は次のとおりです:
- お玉・フライ返しなどは“立てる収納”にしてワンアクションで戻せるように
- 調味料はトレーごと出して、使い終わったらトレーごと戻すだけの仕組みに
- 引き出しの仕切りを必要最低限にして迷わない配置に
ポイントは、“元の場所に戻すまでのハードルをとことん下げる”こと。これが整えば、自然とキッチンが散らかりにくくなり、片づけの負担も激減します。
キッチンで迷わない仕組みづくり|3つのゾーニング術
キッチンは、作業の流れが明確になるほど“迷わない空間”になります。そのために役立つのがゾーニング(エリアを役割ごとに分けること)です。実はプロの料理人も動きやすさを確保するためにキッチンをゾーンで管理しており、家庭でもこの考え方を取り入れるだけで作業効率が一気に上がります。
私もこの方法を導入してから、「次に何をすればいいんだっけ?」という迷いがなくなり、料理のテンポが格段にアップしました。ここでは、私が実際に使っている3つのゾーンを詳しく紹介します。
① 調理ゾーン(切る・炒める)
調理ゾーンはキッチンの中心ともいえる場所で、包丁を使う作業・火を使う作業・混ぜる作業がすべて集約されるエリアです。
このゾーンに置くべきものは次のとおり:
- 包丁
- まな板
- 菜箸
- フライパン・鍋
- 油・塩・砂糖・醤油など基本調味料
これらを調理台〜コンロ周辺にまとめることで、調理中に移動する必要がほぼなくなります。「切る → 焼く/煮る」という流れがスムーズになり、時間のロスも最小限に。
私も以前は調味料を取りに何度も離れたり、鍋を探してウロウロすることが頻繁にありました。しかしゾーンを設定してからは、その場で必要なものがすべて完結するように。まさに“動かなくていいキッチン”が実現しました。
② 盛り付けゾーン(器を用意する)
料理の最終ステップである盛り付けは、実は意外と手間がかかる工程です。器が離れた場所にあると料理が冷めたり、何度も移動することになり、作業が途切れがち。
そのため、盛り付けに必要なものをコンロから振り向けば手が届く距離にまとめておくのが理想です。
具体的には、
- 食器類(大皿、小皿、ボウル)
- スプーン・フォーク・箸
- 子どもの食器やスプーン
これらを同じ棚にひとまとめにしておくと、盛り付けだけでなく配膳準備も非常にラクになります。私の家でも、コンロ後ろの棚を丸ごと「盛り付けゾーン」として活用することで、料理の仕上げがとてもスムーズになりました。
③ 片づけゾーン(洗う・しまう)
料理が終わった後の片づけは、できれば短時間で終わらせたいですよね。そこで活躍するのが片づけゾーンです。このゾーンに必要なものがまとまっていると、流れ作業のように手早く片づけが進むようになります。
配置すべきアイテムは以下のとおり:
- スポンジ
- 洗剤
- 布巾
- ゴミ袋
- 保存容器
これらをシンク周りに集中させておくと、洗う → 拭く → 捨てる → 保存する という一連の動作が途切れずに進行します。特に保存容器を近くに置くことで、作り置きや余り物の管理がグッとラクになりました。
ゾーニングを行うメリットは、作業の切り替えが迷わずスムーズにできること。キッチンのどこで何をするかが明確になると、家事の時短効果が一気に高まります。
置き場所を変えたら料理時間が激減した実体験
置き場所改革を実践して、私が一番驚いたのは「キッチンって配置だけでこんなに変わるの?」という事実でした。正直、最初は「そんなに効果あるのかな…?」と半信半疑だったのですが、実際にやってみるとその違いは想像以上でした。
改革前のキッチンでは、
- 調味料を探すために毎回移動する
- 鍋とフライパンが使う場所から遠くて出しづらい
- しゃがむ回数が異常に多く、腰と膝が疲れる
と、とにかく効率が悪く、料理を始めただけで疲れてしまう毎日でした。
しかし、配置を見直した後は状況が一変。
- 必要なものが“手を伸ばせば届く位置”にある
- 調理の流れが中断されなくなる
- 探し物が激減し、動作のリズムが整う
- 子どもに呼ばれても中断しにくく、気持ちに余裕が生まれる
特に大きな変化だったのは、料理中のイライラが目に見えて減ったこと。キッチンの使いづらさは、思っている以上に精神状態に影響します。動きやすい配置に変えただけで、気持ちがこんなに軽くなるなんて、と自分でも驚きました。
「料理がしんどい」の裏には、必ず理由があります。その多くが“自分の段取り不足”ではなく、“キッチンの仕組みが自分の動きに合っていないこと”。配置を整えるだけで、料理の時間はもちろん心の余裕まで取り戻せるのです。
まとめ|キッチンは“配置を味方にする”だけで時短できる
キッチンに立つ時間を短くしたい、もっとラクに料理したい——。その願いを叶えるために必要なのは、特別な道具でも高度な段取り術でもありません。まずは“配置を整えること”が、何よりも効果的で持続しやすい改善ポイントです。
今回紹介した置き場所改革は、どれも大がかりな収納見直しではなく、今日から誰でも始められる“ムダを減らす仕組みづくり”です。
改めてポイントを整理すると、次の4つがキッチン改善の軸になります:
● よく使うものは最短距離へ配置する
毎日のように使う調理道具や調味料は、コンロ・調理台・シンクの三角ゾーンへ。動く距離を短くするだけで、料理時間は大幅に短縮されます。
● 出し入れしやすい高さに揃える
しゃがむ・伸びるといった上下運動は、気づかぬうちに体力を奪います。使う頻度に応じて高さを入れ替えるだけで、キッチンの“使いやすさ”が一気に向上します。
● 戻すのが簡単な収納にする
収納は、見た目の美しさよりも“続けられる仕組み”が大切。取り出しやすさより、戻しやすさを優先することで散らかりにくいキッチンが実現します。
● 調理・盛り付け・片づけの3ゾーンで整える
ゾーニングは、作業の流れを止めないための最高の仕組み。どこで何をするかが明確になると、キッチン全体の動きが迷いなくスムーズになります。
置き場所をひとつ変えるだけでも、キッチンの動きやすさは驚くほど変わります。「あれ、料理ってこんなにラクだったっけ?」と感じられるほど、負担が軽くなることもあります。
家事や育児、仕事に追われる毎日の中で、キッチンは私たちが思っている以上に生活の質を左右する場所です。だからこそ、自分の動きに寄り添う配置に整えることは“暮らしの土台づくり”でもあります。
今日から少しずつ、“配置を味方にするキッチン”を作ってみてください。きっと、料理に向き合う時間がもっと軽く、もっと心地よくなるはずです。


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